2022年12月に初めてプロ野の球現役ドラフト会義が行われました。
この新たな制度により主だったところでは、楽天のオコエ瑠偉外野手が巨人へ、日本ハムの古川侑利投手がソフトバンクへ、オリックスの大下誠一郎内野手がロッテへと活躍の場を求めて新たな球団へ移籍しました。
そこで本記事では、この新たな試みである現役ドラフトについて記述します。
プロ野球の現役ドラフトとは
現役ドラフトは、日本野球機構(NPB)で、2022年より導入されている移籍制度です。
この制度は日本プロ野球選手会が出場機会の少ない中堅選手の移籍活性化を目的として導入を希望していたもので、2018年から選手会とNPBとの間で折衝を開始。
2022年12月に第1回目が開催されました。
2022年の結果
指名球団 | 選手名 | 守備 | 所属球団 |
---|---|---|---|
オリックス・バファローズ | 渡邉 大樹 | 外野手 | 東京ヤクルトスワローズ |
福岡ソフトバンクホークス | 古川 侑利 | 投手 | 北海道日本ハムファイターズ |
埼玉西武ライオンズ | 陽川 尚将 | 内野手 | 阪神タイガース |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 正隨 優弥 | 外野手 | 広島東洋カープ |
千葉ロッテマリーンズ | 大下 誠一郎 | 内野手 | オリックス・バファローズ |
北海道日本ハムファイターズ | 松岡 洸希 | 投手 | 埼玉西武ライオンズ |
東京ヤクルトスワローズ | 成田 翔 | 投手 | 千葉ロッテマリーンズ |
横浜DeNAベイスターズ | 笠原 祥太郎 | 投手 | 中日ドラゴンズ |
阪神タイガース | 大竹 耕太郎 | 投手 | 福岡ソフトバンクホークス |
読売ジャイアンツ | オコエ 瑠偉 | 外野手 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
広島東洋カープ | 戸根 千明 | 投手 | 読売ジャイアンツ |
中日ドラゴンズ | 細川 成也 | 外野手 | 横浜DeNAベイスターズ |
プロ野球の現役ドラフトの仕組み
現役ドラフトの主な仕組みですが、まず指名対象選手はNPBの各12球団が提出(指名)した選手です。
ただし、下記の選手は指名対象外となります。
- 育成選手
- 外国人選手
- 複数年契約を結んでいる選手
- 翌季の年俸が5,000万円以上の選手
→ただし、1名に限り年俸5,000万円以上1億円未満の選手を対象とすることは可) - FA権を保有している/または行使したことがある選手
- シーズン終了後に育成から支配下契約となった選手」は指名対象外。
- 前年の年度連盟選手権試合終了の日の翌日以降に、選手契約の譲渡によって獲得した選手
各球団の指名順序
次に選手の獲得方法についての流れをご紹介します。
- 各球団は欲しい選手1名に投票(予備指名)
- 1番人気の選手の所属球団が1番目の指名権
- 1番目の指名権を獲得した球団が指名
- 2番目の指名権は1番目に選択された選手が所属する球団
- 12球団が各1人を指名した時点で1巡目の指名終了
- 2巡目は指名意思を示した球団で行い、1巡目の指名の逆順
それで最も多くの票を獲得した球団、言い換えると予備指名で人気の選手を保有している球団が1番目の指名権を獲得します。
予備指名で最も多くの票を獲得した球団が複数になった場合や、たとえば1巡目で指名された球団が既に指名を終えている場合など細かなルールはありますが、以上が選手選択の概略です。
非公開である理由
現役ドラフトは非公開で行われます。
各球団は、対象選手リストの内容を秘密情報として厳格に管理することが求められます。対象選手全体リストの内容を、現役ドラフトの指名の目的以外に使用してはなりません。
ただし、現役ドラフトの結果、指名された選手の氏名についてはこの限りでありません。これは、選手の保護の観点からなされる措置であって、たとえば、「あの球団はこの選手が構想外であったんだ」などと勘繰られないようにするためでもあります。
プロ野球の現役ドラフトまとめ
再掲にはなりますが、初めての開催となった2022年12月の現役ドラフトの結果は、次のようになりました。
指名球団 | 選手名 | 守備 | 所属球団 |
---|---|---|---|
オリックス・バファローズ | 渡邉 大樹 | 外野手 | 東京ヤクルトスワローズ |
福岡ソフトバンクホークス | 古川 侑利 | 投手 | 北海道日本ハムファイターズ |
埼玉西武ライオンズ | 陽川 尚将 | 内野手 | 阪神タイガース |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 正隨 優弥 | 外野手 | 広島東洋カープ |
千葉ロッテマリーンズ | 大下 誠一郎 | 内野手 | オリックス・バファローズ |
北海道日本ハムファイターズ | 松岡 洸希 | 投手 | 埼玉西武ライオンズ |
東京ヤクルトスワローズ | 成田 翔 | 投手 | 千葉ロッテマリーンズ |
横浜DeNAベイスターズ | 笠原 祥太郎 | 投手 | 中日ドラゴンズ |
阪神タイガース | 大竹 耕太郎 | 投手 | 福岡ソフトバンクホークス |
読売ジャイアンツ | オコエ 瑠偉 | 外野手 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
広島東洋カープ | 戸根 千明 | 投手 | 読売ジャイアンツ |
中日ドラゴンズ | 細川 成也 | 外野手 | 横浜DeNAベイスターズ |
現役ドラフトを経た12人の選手では、例えば、阪神タイガースの大竹耕太郎投手が5月19日現在、5勝をしてリーグ1位となっている等活躍されている方もおります。
さらに中日ドラゴンズの細川選手は月間MVPを獲得しました。
この新たな制度がその趣旨どおり選手にとって良い方向にはたらくよう期待します。