プロ野球の一軍・二軍はよく聞きますが、実は三軍も存在しています。現在、三軍を採用しているのは、巨人とソフトバンクの2球団のみになりますが、チームの戦力アップに重要な役割を果たしております。
そこで本記事では、プロ野球の三軍を初めて知ったという方に、三軍設立の目的や給料、試合相手などを紹介します。
プロ野球の三軍設立の目的
設立目的:より多くの実戦経験を積ませること
プロ野球の三軍が設立された目的は、若手選手や育成選手に実戦経験を積ませることにあります。三軍設立により、球団に所属する選手の多くがより試合に出場できるようになりました。
人数問題
項目 | 人数 |
---|---|
球団所属 | 70人前後 |
支配下(1軍) | 28人 |
プレイヤー | 9人 |
現在、プロ野球の各球団には70人前後の選手がいますが、そのうち一軍の支配下登録選手は28人で、残りが二軍、三軍の選手です。仮に全選手が70人いるとすると、一軍以外の選手は42人となります。
野球は9人でするスポーツなので、42人も二軍にいると、二軍でも試合に出場できない選手が多くなります。
そのような二軍の試合にも出場できない選手の出場機会を増やすために、三軍が設立されました。試合に出場できない選手に実践経験を積ませることで、戦力アップやチームの底上げにつながります。
三軍を設立した球団
二軍は全球団設置していますが、2023年5月現在、三軍は以下の3球団のみ導入しています。
- 福岡ソフトバンクホークス
- 東京読売ジャイアンツ
- 広島東洋カープ
上記3球団のうち、広島東洋カープについては、三軍の当初の役割は故障した選手のリハビリ施設でした。現在は若手選手の修行の場になっていますが、対外試合は組まれず、ひたすら練習を繰り返しています。
上記のほかにも、三軍の設置を検討している球団はあるとのことですが、今のところ導入には至っていません。チームを維持するためにはお金がかかるため、資金がある球団ほど三軍を取り入れる傾向になっています。
プロ野球の三軍選手の給料事情
プロ野球の三軍の一員である育成選手の給料は、最低保証が240万円と定められています。
プロ野球選手の給料としては低い印象ですね。
また、三軍の選手は、基本的に寮生活をしています。寮では、アスリートの体づくりを考えたバランスのよい食事も提供されるため、生活費は抑えられているといえるでしょう。
平均年収
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
3軍選手 | 約300万円 | – |
20代 | 約370万円 | 約320万円 |
30代 | 約480万円 | 約380万円 |
3軍選手の平均給与は300万円といわれており、同世代の平均年収と比べると低いです。
しかし、寮での食事や光熱費等の福利厚生を考えると、一般サラリーマンよりもお金貯まりやすい環境かなと思います。一方で、道具代や交際費によっては全くお金が足りないでしょう。
プロ野球三軍チームの試合相手
- 他球団
- 独立リーグ
- 大学・社会人チーム
- 韓国や台湾のチーム など
プロ野球の三軍の対戦相手は、上記など多岐に渡ります。全球団に三軍が設置されているわけではないので、プロ野球以外のチームとも対戦をして実戦経験を積んでいきます。
ちなみに一軍や二軍での試合は公式戦ですが、三軍の試合は全て非公式試合です。
非公式試合ということは、プロ野球選手として個人の成績にはカウントされません。なお、三軍の試合日程は各球団から発表されており、観戦も可能です。球団から発表されている試合日程は、以下から確認できます。
>>ソフトバンク三軍チームの日程はこちら
>>巨人三軍チームの日程はこちら
現在のプロ野球一軍で活躍する選手で三軍経験者
プロ野球の三軍で実戦経験を積み、現在は一軍で活躍する選手を紹介します。
福岡ソフトバンクホークス
- 柳田悠岐選手
- 賀滉大選手
- 甲斐拓也選手
- 上林誠知選手
いまはMLBで活躍する千賀選手も育成出身ですが、ソフトバンクの育成力は凄まじいですね。
ちなみに、2023年5月現在121人の選手が所属している福岡ソフトバンクホークスは、三軍の試合も多く組まれており、三軍で実戦を積んだ選手が一軍でも活躍していることが分かります。
読売ジャイアンツ(巨人)
- 増田陸選手
- 松原聖弥選手
松原選手は仙台育英高校出身ですが、高校時代はスタンド応援の選手でした。こうしてプロに入団し、三軍も経験、そして一軍で活躍する姿をみれるのは嬉しいですね。
プロ野球の三軍まとめ
一軍・二軍とは異なり、非公式戦で選手が実戦経験を積むプロ野球の三軍。
2023年現在、設定している球団は3球団と少なく、給料もプロ野球選手としては低いです。しかし、三軍を経験した選手が一軍で活躍する姿も見られ、今後三軍の役割が重要になってくるかもしれませんね。
個人的には、まだまだ薄給のため、もう少しお給料を増やしていただければ嬉しいなと思います。
今後、三軍あるいは育成から一軍のスターが誕生することを心から期待しています!