野球用語「QS/HQS」とは?達成条件や平均/ランキングを完全紹介!

QS/HQS

QSやHQSとは、先発投手を評価するための指標の1つです。QSHQSが高ければ高いほど、安定性が抜群の「信頼」できる投手あるいは「計算」できる投手と評価されます。

そこで本記事では、QSやHQSの概要や達成するための条件についてまとめました。

投手を評価する上で目安となるQSや過去のランキング、シーズン成績についてもまとめたため、是非最後まで記事をご覧ください。

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目次

QS/HQSとは

投手 フリー

QSやHQSでは、先発投手が試合を作ったかどうかという評価をすることができます。野球では、先発投手が序盤に大量失点をしてしまい、勝利の可能性を低下させてしまうことを「試合を壊した」と表現します。

その逆が「試合を作った」になるのですが、先発投手に求められる試合を作る要素を数値化したものです。

QS達成条件

QS:先発投手が6イニング以上投げ、自責点3以下

自責点とは、投手の責任とされる失点を指します。味方のエラーによって発生した失点はカウントされません。

つまり、6イニングを投げ切って4失点であっても、味方エラーによる失点が1点あれば自責点は「3」となり、QS達成になります。

HQS達成条件

HQS:先発投手が7イニング以上投げ、自責点2以下

よくQS率やHQS率といった言葉が使用されますが、上記の数を単純に先発数で割ることで算出可能です。

QS/HQSの重要性

近年、このQSやHQSに注目する野球評論家やファンが多くなっています。数十年前までは、勝利数や完投/完封数といった数字が注目されていました。

現に投手のなかで最高の賞といわれる「沢村賞」にも上記は審査項目として入っています。

それではなぜ、QSやHQSの指標が注目を浴びるようになったのでしょうか。

近代野球

近代のプロ野球では、何人かの投手でつなぐ継投が当たり前になりつつあります(相対的に、長く投げる先発投手は非常に重宝される文化があります)。

まずは、上記のような「試合を作れたかどうか」を分析できる指標がQS/HQSになるためです。

勝利の不安定さ

仮に9回を投げ切っても味方の援護店が0点であれば、その投手には勝利も完封も付きません。

つまり、勝利や完封といった指標は味方ありきの指標です。一方で、QS/HQSは投手以外の要因が影響しないため、その投手の純粋な評価をすることができます。

そのため、近年では勝利などの不安定要素よりもHQS率が高い方が評価できるという声が多くなってきました。

  • 試合の流れ
  • ギアの入れ方
  • 展開をよんだ配球

一方で、上記のような記録では表せないものが確実に存在するのが野球というスポーツです。個人的には、勝利数や完投数も評価できる指標には変わりないと思っています。

QS率について

QS率=QS数÷先発数

QS率とは、先発したうちどのくらいQSを成功させたかを表した指標です。

5回先発したうち、4回QSを達成することができれば、QS率は80%となります。

HQSも考え方は同様になります

目安

項目目安
QS80%
HQS50%

感覚、上記の値を超えてくればエース級(好投手)と評価される可能性が高いです。

2022年シーズンにおいても、QSが80を超えた投手はNPBが4名、MLBが3名と非常に少ないです。

QS率ランキング【22年シーズン】

野球 審判 フリー
選手QS率
加藤貴之85.7
山本由伸84.6
髙橋光成80.8
戸郷翔征80.0
西勇輝78.3

規定投球回を上回った選手のみを対象にしております。

上記のように球界を代表する投手が並びますが、1位の加藤選手はシーズンを通しても8勝しかできていません。

一方で山本選手は15勝しております。優勝チームのオリックスに所属するか、Bクラスに終わってしまった日本ハムに所属ししてるかでここまで差が出ることも珍しくありません。

ここぞの場面で三振を奪えるか(1点差ゲーム)などのQS率では判定ができないような要素も勝敗には絡んでくるため、一概にQS率のみで投手を評価することはできません

MLB

選手QS率
バルデス83.9
ダルビッシュ83.3
マノア80.6
アルカンタラ75.0
バーランダー75.0
※大谷翔平57.1

ダルビッシュ選手は、ナ・リーグで唯一の80%超えでした。

二刀流の大谷選手が目立つ一方で、ダルビッシュ選手も世界の大舞台で輝かしい成績を残されています。

QS/HQSまとめ

QS:先発投手が6イニング以上投げ、自責点3以下
HQS:先発投手が7イニング以上投げ、自責点2以下

QSやHQSといった他の要因が影響しない指標が近年注目を集めています。

最多勝のようにシーズンごとの賞があるわけではありませんが、継投が主流になっている近代野球においては「試合を作れるかどうか」は非常に重要な要素です。

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