リクエスト制度(ビデオ判定)は、2014年よりMLB(メジャーリーグ)で、2018年よりNPB(プロ野球)で導入されている制度です。
MLBでは、この制度をチャレンジと呼びますが、制度の概要はリクエスト制度と変わりありません。
そこで本記事では、プロ野球のリクエスト制度についての概要や成功率についてまとめました。
プロ野球のリクエスト制度とは
リクエスト制度とは、際どいプレーに対して異議を唱えることができる制度です。
リクエストの権利は監督が保持しているため、監督がリクエスト申請しない限りは申請が認められません。
しかし、選手から監督にジェスチャーをすることで、監督がリクエストするパターンが多いです。やはり、プレーの当事者の感覚的に審判の判断が間違っているのであれば、申請が覆る可能性が高そうです。
リクエスト条件
- 1試合2回まで
- 成功の場合は回数が減らない
- 延長戦の場合は申請権利が1回付与
- リクエスト対象のプレーが決められている
上記それぞれの条件・ルールがあります。延長戦は1イニングごとの権利が1度付与されます。
対象プレー
基本的にリクエスト制度はほとんどのプレーの対象です。アウト/セーフの判定で使われることが多いです。逆に対象外のリストが下記になります。
- ストライク、ボールの判定
- 打者のハーフスイング
- 走塁妨害や守備妨害
- インフィールドフライ
- 塁審より前の打球(内野ゴロ)など
機械的に判定できない(ビデオ判定)できないプレーはリクエスト対象外です。
リクエスト制度の成功率
監督 | 成功数 | 失敗数 | 成功率 |
---|---|---|---|
楽天(三木監督) | 22 | 28 | .440 |
DeNA(ラミレス監督) | 20 | 30 | .400 |
日本ハム(栗山監督) | 21 | 33 | .389 |
巨人(原監督) | 12 | 19 | .387 |
ロッテ(井口監督) | 16 | 27 | .372 |
広島(佐々岡監督) | 15 | 26 | .366 |
西武(辻監督) | 14 | 31 | .311 |
ソフトバンク(工藤監督) | 8 | 22 | .267 |
ヤクルト(高津監督) | 10 | 31 | .244 |
阪神(矢野監督) | 19 | 32 | .238 |
オリックス(中嶋監督代行) | 4 | 14 | .222 |
中日(与田監督) | 7 | 28 | .200 |
オリックス(西村監督) | 4 | 16 | .200 |
BBNEWSの記事に掲載されていた、2020年のリクエスト成功率です。
どの球団も50%を超えることはなく、2回に1回以上は判定通りとなっております。
リクエスト回数
監督 | 成功率 |
---|---|
楽天 | 50 |
DeNA | 50 |
日本ハム | 54 |
巨人 | 31 |
ロッテ | 43 |
広島 | 41 |
西武 | 44 |
ソフトバンク | 30 |
ヤクルト | 41 |
阪神 | 51 |
オリックス | 38 |
中日 | 35 |
2020年の記録になりますが、単純計算で3試合に1回はリクエストしていることになります(1シーズン144試合)。
各審判員の成功率
審判員別リクエスト成功率
— seVen (@sevenislandsz1) June 11, 2022
僕は常々、審判の判定には従う立場だったけど、いざ判定で揉めた場合には選手や元選手の眼の方が審判員さんの眼よりも正しいと思ってた。
しかしこれを見ると、いざ揉めた場合に限っても審判員の方が正しいケースが多いんですね。
牧田さんと佐々木さん優秀なんですね。 pic.twitter.com/4N5bKMrS0N
2017年シーズンを基に作成されたそうです。リクエストにも、回数が余っていることから気軽に申請するパターンや、本気で誤審だと思い申請したパターンなど様々です。
そのため、このデータも何か有力な結論を持った集計ではありません。参考程度で記載していることご理解ください。
MLBのリクエスト制度
MLBでは、チャレンジと呼ばれます。
2014年から導入されていますが、日本のリクエスト制度と異なる点が大きく2つあります。
日本と異なる点
回数 | 6回までに1度、7回以降は試合終了までに2度 |
確認方法 | 審判以外のビデオチェックメンバーを用意 |
試合時間短縮の目的から、回数はイニングごとに制限がされています。また、日本では審判員自らがビデオ判定するのに対し、MLBでは第三者組織が確認します。
リクエスト制度まとめ
リクエスト制度が採用されたことで、誤審によって試合の勝敗が左右されてしまうリスクが軽減されました。
しかし、まだまだストライク/ボールなどの不確定要素の判定を巡って、審判員の方への誹謗中傷が絶えません。
今後、このように野球の判定もデジタル化していくかもしれませんね。個人的には、流れや審判の判定もあっての野球という考えなので、その判定も受け入れて観戦しています!