21世紀枠とは、2001年から始まった制度で、地区ベスト16以上に進出したチームを対象に選出される制度です。選出されると、21世紀枠として甲子園に出場することができます。
選出基準は、様々ありますが他の高校の模範となる学校が選出されます(文武両道やマナーの順守)。
そこで本記事では、そんな21世紀枠に焦点をあてて情報をまとめました。
21世紀枠とは
2001年に採用された。困難な練習環境を克服したり、地域貢献活動に取り組んだりと、特色ある部活動を行っている学校が対象とされ、原則として秋季都道府県大会で16強以上(加盟129校以上の地方大会は32強以上)に入ったチームから選ばれる。
出典:讀賣新聞
一定の戦績は必要ですが、本来の出場校とは基準が違うため、よく初出場の高校が選出されます。
- 文武両道
- 進学校
- 社外活動 など
上記の条件が総合的に加味されます。
選出方法
まず、47都道府県の推薦校が1校ずつ推薦されます。
そこからそれぞれの地区で、推薦高校(計9校)が選ばれます(東北、関東など)。
そして11月ごろに、その9校のなかから選考委員会が21世紀枠で出場する高校を決定します。
22年の場合
地方 | ||
---|---|---|
北海道 | 札幌国際情報 (北海道) | ベスト4 |
☆東北 | 只見(福島) | ベスト8 |
関東 | 太田(群馬) | ベスト8 |
東海 | 相可(三重) | ベスト8 |
☆北信越 | 丹生(福井) | ベスト4 |
近畿 | 伊吹(滋賀) | ベスト8 |
中国 | 倉吉総合産業 (鳥取) | 準優勝 |
四国 | 高松第一 (香川) | ベスト8 |
☆九州 | 大分舞鶴 (大分) | 準優勝 |
上記の9校がそれぞれの地区で選出された後に、3校が決定しました。
【センバツ甲子園】過去の21世紀枠一覧
年 | 1校目 | 2校目 | 3校目 | 4校目 |
---|---|---|---|---|
2001年 | 安積(福島) | 宜野座(沖縄) | – | – |
2002年 | 鵡川(北海道) | 松江北(島根) | – | – |
2003年 | 柏崎(新潟) | 隠岐(島根) | – | – |
2004年 | 一関一(岩手) | 八幡浜(愛媛) | – | – |
2005年 | 一迫商(宮城) | 高松(香川) | – | – |
2006年 | 真岡工(栃木) | 金沢桜丘(石川) | – | – |
2007年 | 都留(山梨) | 都城泉ヶ丘(宮崎) | – | – |
2008年 | 安房(千葉) | 成章(愛知) | 華陵(山口) | – |
2009年 | 利府(宮城) | 彦根東(滋賀) | 大分上野丘(大分) | – |
2010年 | 山形中央(山形) | 向陽(和歌山) | 川島(徳島) | – |
2011年 | 大館鳳鳴(秋田) | 佐渡(新潟) | 城南(徳島) | – |
2012年 | 女満別(北海道) | 石巻工(宮城) | 洲本(兵庫) | – |
2013年 | 遠軽(北海道) | いわき海星(福島) | 益田翔陽(島根) | 土佐(高知) |
2014年 | 小山台(東京) | 海南(和歌山) | 大島(鹿児島) | – |
2015年 | 豊橋工(愛知) | 桐蔭(和歌山) | 松山東(愛媛) | – |
2016年 | 釜石(岩手) | 長田(兵庫) | 小豆島(香川) | – |
2017年 | 不来方(岩手) | 多治見(岐阜) | 中村(高知) | – |
2018年 | 由利工(秋田) | 膳所(滋賀) | 伊万里(佐賀) | – |
2019年 | 石岡一(茨城) | 富岡西(徳島) | 熊本西(熊本) | – |
2020年 | 帯広農(北海道) | 磐城(福島) | 平田(島根) | – |
2021年 | 八戸西(青森) | 三島商(静岡) | 東播磨(兵庫) | 具志川商業(沖縄) |
2022年 | 只見(福島) | 丹生(福井) | 大分舞鶴(大分) | – |
2013年と2021年は、前年の明治神宮大会が中止になった影響を受け、神宮大会の枠を21世紀枠の増加枠としました。そのため、2013年は4校選出されています。
21世紀枠の最高成績は、宜野座と利府のベスト4です。また、土佐以外はすべて公立校が選出されています。
結果
21世紀枠は、本来の戦績では甲子園に出場できなかったチームになるため、ほとんどの出場チームが1回戦敗退あるいは2回戦敗退となっております。
その中でも、主だった結果を残したのが下記チームです(2回以上の勝利)。
都市 | 出場校 | 結果 |
---|---|---|
2001年 | 宜野座(沖縄) | ベスト4 |
2008年 | 華陵(山口) | 3回戦進出 |
2009年 | 利府(宮城) | ベスト4 |
過去に出場した52校のうち、たった3校しか2回以上勝利していません。その率は約6%。
21世紀枠で出場した高校が勝利するのがどれだけ難しいかデータからも想像できます。
21世紀枠の推薦傾向
出場傾向
- 東北
- 四国
- 近畿
- 九州
上記地区の出場数とその他地区の出場数には2倍の乖離があります。中でも東北は唯一の2桁出場であり、2以下に5以上の差をつけています。
過去10大会中、8大会で選出されております(2012~2022)。
練習環境の悪さ
近年、練習環境の悪さを克服した文武両道の学校が選出される傾向にあります。そういう意味でも、被災地である東北は選考基準に引っかかりやすいです。
それでは、実際に2022年の選考理由を見ていこうと思います(一部抜粋)
■大分舞鶴(大分)
平日の練習は約2時間ながら、3班に分かれて分単位でメニューをこなすなど工夫を凝らし、トレーニングや食事面も含め、自主性を重んじている。
出典:スポーツ報知
■只見(福島)
福島県と新潟県境の日本有数の豪雪地帯にある只見は、全校生徒86人の小規模校で、野球部も選手13人、マネジャー2人と少数だが、11月下旬から4月まで雪でグラウンドが使えない中でも創意工夫した練習で実力を培ってきた。
出典:スポーツ報知
【まとめ】21世紀枠
- 21世紀枠は2001年から始まった制度
- 地区大会ベスト16以上に進んだ高校の中から選出
- 他の学校の模範となるようなチームが選出される
- 選出の傾向として「練習環境の悪さを克服」した理由が評価されやすい
- 21世紀枠で出場し、2勝以上した高校はたったの3校しかない
21世紀枠に関しては、不要論だったり、選出に関しての不満など毎年物議になりやすいです。
しかし、この制度によって県内の私立強豪校に限らずに出場するチャンスがあるのは選手たちにとっては嬉しい制度です(私も現役時代は選ばれてもないのに淡い期待をしていました)
今後、21世紀枠で出場した高校が甲子園で旋風を巻き起こすことを強く期待しています!