プロ野球観戦で最も盛り上がる瞬間の一つが、ホームラン。打球がスタンドに飛び込んできたとき、「もし自分がキャッチしたら、そのボールはもらえるのか?」という疑問を持ったことがある人も多いのではないでしょうか。
実際にホームランボールを手にするチャンスはごく稀ですが、だからこそ、その場面での対応を事前に知っておくことが大切です。もらえるケースと返却が求められる特別なケース、球団ごとのルールやマナー、そしてもらえる可能性を高める観戦方法まで、幅広く解説します。
このページでわかること
- ホームランボールがもらえる基本的なルール
- 返却が求められる特別なケースとその理由
- トラブルを避けるためのマナーや注意点
- ホームランボールをもらいやすくする座席選びのコツ
プロ野球のホームラン/ファールボールはもらえる
結論、プロ野球のホームランやファールボールはもらえます。しかし、2軍以下の試合や練習などをはじめ、場合によってもらえないこともあります。
もらえないパターン
- 練習
- 2軍試合
- 記念ボール
上記のようなパターンはファールボール/ホームランがもらえない場合があります。
ちなみに、プロ野球の秋季キャンプも練習ではありますが、ボールはもらえることが多いです。
記念ボール
- プロ初ヒット
- ○○号ホームラン
- シーズン最多記録 など
記念ボールとは、上記のような選手の記録を達成したときの使用ボールになります。
記念ボールは選手にとってかけがえのないものです。自分の手元にきて嬉しいとは思いますが、プロという過酷な世界で頑張っている選手のためにも交換してあげましょう。
高校野球
甲子園や地方大会の決勝戦など、プロ野球でも使われるような広い球場で試合が開催される場合は、ファールボール/ホームランともにもらえる場合が多いです(甲子園大会は基本もらえます)
しかし、基本的に地方大会では、もらえないこともが多いでしょう。ボールボーイによって回収されます。

ホームラン/ファールボールの行方一覧表
試合一覧 | もらえる/もらえない |
---|---|
甲子園 | もらえる |
地方大会 | 基本もらえない 決勝ではもらえることもある |
プロ野球 | もらえる |
2軍試合 | もらえない |
練習 | もらえない |
秋季キャンプ | もらえることが多い |
オープン戦 | もらえる |
それぞれの試合パターンごとに一覧でまとめてみました。
高校野球の地方大会では、準決勝や決勝など、観客も多く大きい球場で行われる試合の場合はファールボールがもらえることが多いです。
全国高校野球選手権(春のセンバツ/夏の甲子園)では、ファールボール/ホームランともにもらえます。
プロ野球のホームラン/ファールボールが直撃してしまった事故事例
2022年日本シリーズ
ヤクルト村上選手のファールボールが観客の後頭部に直撃しました。
幸い、大事には至りませんでしたが、試合中はボールから目を離してはいけません。
高く上がった打球は、頭に当たると痛そう
観戦する時は、プレーから目を離してはいけないというのをお手本で示した動画
出典:Youtube コメントより
2008年楽天戦
楽天のホーム球場で、男性の右目にライナー性のファールボールが直撃してしまいました。
その影響で視力が低下し、男性は楽天球団と窮状を所有している宮城県を訴えました。
ホームランボールで怪我した場合の補填
原則は自己責任になります。しかし、主催側が安全管理を怠っていたなどの注意不足が露見した場合は、主催者を訴えることもできます。
実際に勝訴となり、賠償金を支払った事例もありますが、2008年楽天戦のようにその逆(提訴したが棄却として終わった場合)もあります。
野球規則
第13条 (責任の制限)
出典:試合観戦契約約款
主催者及び球場管理者は、観客が被った以下の損害の賠償について責任を負わないものとする。但し、主催者若しくは主催者の職員等又は球場管理者の責めに帰すべき事由による場合はこの限りでない。
(1) ホームラン・ボール、ファール・ボール、その他試合、ファンサービス行為又は練習行為に起因する損害
(中略)
前項但書の場合において、主催者又は球場管理者が負担する損害賠償の範囲は、治療費等の直接損害に限定されるものとし、逸失利益その他の間接損害及び特別損害は含まれないものとする。但し、主催者若しくは主催者の職員等又は球場管理者の故意行為又は重過失行為に起因する損害についてはこの限りでない。
観客は、練習中のボール、ホームラン・ボール、ファール・ボール、ファンサービスのために投げ入れられたボール等の行方を常に注視し、自らが損害を被ることのないよう十分注意を払わなければならない。
上記のように、定められております。
つまり、野球を観戦している=上記に同意していると判断されてしまうのです。
プロ野球のホームラン/ファールボールの事故事例
被告 | 判決 | 賠償額 |
---|---|---|
札幌市 | 否決 | – |
札幌ドーム | 否決 | – |
日本ハム | 責任あり | 約3,000万円 |
2010年8月の日本ハム戦で、女性の顔にファールボールが直撃し、失明してしまった事故です。
裁判所は球場の安全性は他球団と比べても差がないとし、球場保有者である札幌市と札幌ドームへの訴えは棄却と判決しました。
札幌市は施設所有者、札幌ドームは施設の運営管理、日本ハムは試合の主催者です。しかし、球団には野球の知識が少ない観客への配慮が欠けていたとし、3,357万円の支払いを命じました。

ホームランボールをもらえる確率を高める方法
ホームランボールを実際に手にする機会は非常に貴重ですが、事前の準備や観戦場所の選び方次第で、そのチャンスを少しでも高めることが可能です。
ホームランが狙いやすい座席の選び方
ホームランボールを受け取るには、まず“飛んできやすい位置”に座ることが基本です。球場の構造や選手の傾向に応じて、狙い目の席が変わることを意識しましょう。
座席位置 | 狙いやすさ | 特徴 |
---|---|---|
外野席(レフト・ライト) | ◎ | 最もホームランが飛んでくる確率が高い |
外野中段(2階やスタンド後方) | ○ | 飛距離がある打者の本塁打が届く位置 |
内野席 | △ | 基本的にホームランは飛んでこないが、ファウルボールの可能性あり |
ホームランを狙うなら外野席一択。ただし、混雑する人気試合では、早めのチケット確保が必須です。
キャッチのための持ち物・装備
ホームランボールを安全にキャッチするには、装備の準備も欠かせません。特に周囲の人や自分自身への危険を減らすため、以下のようなアイテムが役立ちます。
- 野球用グローブ
↳打球の衝撃を吸収し、安全にキャッチしやすくなる - 帽子やサングラス(デーゲーム)
↳打球の追跡中に日差しで視界を遮られないようにする - 小さめのバッグや手荷物
↳瞬時に身を動かせるように、両手を空けておくと安心
なお、持ち物が周囲に迷惑をかけることがないよう、収納や使用のタイミングにも配慮が必要です。
過去のホームランデータから見る傾向
ホームランボールを狙うなら、感覚ではなくデータをもとにした座席選びが効果的です。近年では、球場や選手ごとの打球傾向を分析した情報が公開されており、それを参考にすることで狙いを定めやすくなります。
球場名 | 本塁打の傾向 | 狙い目の席 |
---|---|---|
東京ドーム | 右打者のレフト方向が多い | レフトスタンド下段 |
阪神甲子園球場 | 両翼が広く、中堅方向の打球が多め | 中段ややセンター寄り |
バンテリンドーム | ドームのため打球が伸びにくい | 外野前方よりも中段が狙い目 |
こうしたデータは、球団公式サイトやスポーツニュース、SNSなどでもチェックできるため、事前に調べてから座席選びに活かすのがおすすめです。

まとめ
基本、プロ野球の公式戦ではホームランもファールボールももらえます。しかし、選手の記録が達成された記念ボールについては返却しましょう。
記念ボールを返却することで、その選手と写真を撮れたり、サイン入りの別の道具をもらえたり、ホームランをキャッチする以上の良いことが待っている可能性が高いです。
また、基本的にホームランやファールボールが当たることで生じる怪我は自己責任となります。
試合中は決してボールから目を離さないように注意してください。