ダブルプレーとは、1つのプレイで2つのアウトを取る守備側のプレーを指します。
1プレーで2アウトを取れるため、試合の流れを大きく変えるようなプレーです。
ダブルプレーにはいろいろなパターンがありますが、中でも内野手による643や463を現れされるプレーは見る人を魅了する華麗なプレーになります。
そこで本記事では、ダブルプレーの概要と数字が意味する内容など、網羅的に紹介します。
ダブルプレー(ゲッツー/併殺)とは
ダブルプレーとは、1つのプレーで2つのアウトを取ることを意味します。
ゲッツーや併殺とも表現されますが、意味は同じです。
守備側としては、一気に2つのアウトを取れるだけでなく、相手のチャンスを止めることができるため、非常に勢いがつくプレイとなります。まさに、ピンチの後にチャンスありですね。
逆に攻撃側はチャンスの場面から一転する場合があるため、次イニングの守備はより一層気を引き締める必要があります。
ゲッツー/併殺
ゲッツー:ゲットと2つ(ツー)を掛け合わせた造語
併殺;併せて2つのアウトを取る(殺す)
上記のような語源でそれぞれ表現されていると思います。
その他にも、奪三振(三振を奪う)打率(打つ確率)など元となる意味があります。
ダブルプレーの事例3選
1アウトランナー1塁/セカンドゴロのケース
セカンドは2塁へ送球し、一塁走者をまずアウトにします。
その後、一塁へ送球し、打者もアウトにします。
上記で2つアウトに取ることで、ダブルプレーの完成です。
0アウトランナー1塁/三振のケース
三振で打者はアウト、1塁走者は盗塁失敗でアウト。
上記の場合も1プレーで2つのアウトを取っているため、ダブルプレーとなります。
1アウトランナー3塁/センターフライのケース
センターフライで打者はアウト、3塁走者はタッチアップで本塁アウト。
また、仮に3塁走者がセーフになったとしても、アピールプレイでアウトになった場合はダブルプレー成立です。
タッチアップ:バッターが打った打球がフライやライナーの場合、守備側の野手が初めて触れたら、塁にリタッチしてから次の塁へ進めるプレー
アピールプレイ:守備側が審判にアウトを主張すること(タッチアップのタイミングが早いなど)。申告しないと仮にアウトでもアウト判定されないケースがある
ダブルプレーの643/463の数字とは
- ピッチャー
- キャッチャー
- ファースト
- セカンド
- サード
- ショート
- レフト
- センター
- ライト
野球はポジションを番号で表し、そのポジション番号ごとに背番号も決まります。
エースナンバーが1と呼ばれるのは、投手のポジション番号が1のためです。
先程紹介した、1つ目の事例の場合はセカンドゴロ(4)、二塁ベースにカバーに入っているショートへ(6)、打者操作をアウトにするため一塁送球(3)となります。
そのため、それぞれの番号をとって「463」と表現されます。
6-4-3のダブルプレー
ショート→セカンド→→ファーストの順番でボールに触れます。
4-6-3のダブルプレー
セカンド→ショート→ファーストの順番でボールに触れます。
その他
数字は、ダブルプレー完成までにボールを触ったポジションで構成されます。
5-4-3の場合:サードとセカンドとファーストの3人がボールに触ってダブルプレーを完成
そのため、上記動画のようなケースも生まれることがあります。
ダブルプレーの歴代記録
通算併殺打
順位 | 選手名 | 併殺打 | 試合数 |
---|---|---|---|
1 | 野村克也 | 378 | 3017 |
2 | 衣笠祥雄 | 267 | 2677 |
3 | 大杉勝男 | 266 | 2235 |
4 | 長嶋茂雄 | 257 | 2186 |
4 | 中村紀洋 | 257 | 2267 |
6 | 新井貴浩 | 242 | 2383 |
7 | 落合博満 | 236 | 2236 |
7 | 谷繁元信 | 236 | 3021 |
9 | 土井正博 | 235 | 2449 |
10 | 山崎武司 | 230 | 2249 |
併殺打はそもそもで、ランナーがいる場合に打席に立つ必要があります。
ランナーを置いた状態で回る上位打線に組まれる選手ほど、ダブルプレーのリスクは上がります。
当然ですが、試合に出なければダブルプレーのリスクはありません。
そのため、ダブルプレーの多さ=強打者の証ともいえるでしょう。
実際の通算ランキングをみても、名選手ばかりが並んでいます。
シーズン最多併殺
順位 | 選手名 | 併殺打 | 年 | 試合数 |
---|---|---|---|---|
1 | ブーマー | 34 | 1989 | 130 |
2 | 野村克也 | 31 | 1973 | 129 |
3 | 駒田徳広 | 29 | 1994 | 130 |
4 | 葛城隆雄 | 28 | 1959 | 132 |
4 | ラミレス | 28 | 2006 | 146 |
4 | 山崎武司 | 28 | 2007 | 141 |
7 | 大杉勝男 | 27 | 1978 | 125 |
7 | 内川聖一 | 27 | 2016 | 141 |
9 | ブルックス | 26 | 1998 | 129 |
9 | 中村紀洋 | 26 | 2001 | 140 |
9 | 和田一浩 | 26 | 2013 | 142 |
シーズン記録でも同様に、各球団の主力メンバーが並んでいます。
1位のブーマー選手は4試合あたり1回は併殺をしていることになりますが、それでも使い続けられているのは、それ以上に魅力があるからでしょう。
2022年シーズン
順位 | 選手名 | 併殺打 |
---|---|---|
1 | ビシエド | 20 |
2 | 大山 悠輔 | 17 |
3 | 宮﨑 敏郎 | 16 |
3 | 梅野 隆太郎 | 16 |
5 | 佐野 恵太 他3名 | 14 |
2022年シーズンのダブルプレー(併殺)ランキングは上記になっております。
意外だったのが、三冠王を取って得点圏打率も全体の2位であった村上選手が上位10傑にもダブルプレーランキングで入っていませんでした。
あれだけランナーを置いた状態で打席が回ってきているにもかかわらず、ここに名前が載らないのは驚きです。
チャンスで強いだけでなく、チームバッティングもできる本当に村神様ですね。
ダブルプレーまとめ
ダブルプレーは1つのプレーの間に2つのアウトを取ることから、ゲッツーや併殺とも呼ばれます。
ランナーがいる場面でのみ発生するため、試合の流れを変える大きなプレーです。
また、野球にはポジションごとに数字が割り当てられており、ダブルプレー完成までにボールに触った順番で「6-4-3」や「4-6-3」といった表現がされます。
最初は慣れないかもしれませんが、野球に携わる時間が長くなればなるほど親しみやすいでしょう。